春愁
だれかが仕事中に駐車場の白線を引き直したらしく、ペンキ塗りたてのため、昼飯を食べに行こうと思っても車を出すことができない。仕方がないので、自転車を借りて近くのコンビニに出かけた。
作業服のお兄さんたちで混みあっている中、筍ごはん幕の内という弁当を買って外に出た。
サドルの位置が低すぎて足が曲がったままになリ、漕ぎにくかったので、途中で車をとめて調整した。足が伸ばせるようになったら、背筋が伸び、遠くが見渡せるようになった。
急にあたたかくなってぽかぽかの陽気である。田舎道を自転車で走っていると、遠くの山並みが春霞にかすんで、うす青からしだいに色を変え波のようにうねっているのが見える。家々の甍がまぶしい光をはねかえして、ペダルを漕ぐたびにキラキラ光る。
ぼんやりした気分でそんな景色を見ていると、このままどこかに旅にでも出かけたくなってくる。
どこか遠くの辺鄙な海辺の宿に投宿し、寝間着丹前姿でひねもす砂浜にでも寝そべって、小鳥や犬がやってくるのをながめていられたら、どんなにかいいだろう。
そんなことを考えながら、ふらふら帰ってきた。考えるだけで、なかなか旅になど出られないのは分かっているが、毎年この季節になると、旅心に誘われる。こういうのも春愁というのだろうか。
2006-03-27 12:47:35 | Permalink | コメント(0) | Trackback(0)
雨なのに洗車
朝、いつもより早く目が覚めた。ニケに起こされて起きていった妻が、目覚ましをとめ忘れたのだ。目覚ましは消したのだけれど、一度体を動かすと、もう眠れない。仕方がないので起きて服を着替えた。出勤時間まで1時間以上ある。新聞をとりに外に出て、隣の様子を見てみると、まだ店を開ける気配がない。洗車しよう!家に戻って、長靴とスポンジを用意した。
この前の高速走行で、フロントグラスやラジエターグリルの周りに虫の死骸がくっついたままだ。水洗いしながらこそげ落とさないと、ちょっとやそっとのことで落ちるような付き方ではない。おまけに、つもった花粉の上に雪が降り、ボンネットの上は、黄色いまだら模様になっている。毎朝気になっていたのだが、ここのところ何かと忙しく帰ったら真っ暗になっている。とても車など洗っていられなかった。
毎朝、車に乗り込むたびに愉しい気分がしていたのに、その車が汚れていると愉しい気分になれない。天気予報では午後から雨だそうだがかまうものか。時間があるなら洗ってしまえ。そう思って洗ったのだった。ピカピカになった車を駐車場に戻して朝食を食べた。いざ、出勤。汚れのとれた車に乗り込むときの爽快感。やはり洗って正解だった。
ところが、仕事場に着いたとたんに雨が降り出した。しだいに強くなってくる雨脚。インターネットの天気予報を見ると、ただの雨ではなく「大荒れ」と変化している。仕事が終わって帰ろうと玄関を出ると、叩きつけるような雨。ドアを開けると革のシートの上に雨が落ちてきた。朝の気持ちの良さが嘘のように沈んでしまった。慣れないことはしない方がいいということか。明日の朝にはやむらしいが、どうにかして花粉が飛ぶまでに車が乾いていてほしいものだ。
2006-03-16 17:50:04 | Permalink | コメント(0) | Trackback(0)
